2016年11月28日のNHKあさイチスゴ技Qは、柿の知られざるパワー。
柿の栄養、柿の皮を薄くむく方法、柿の栄養分「β-クリプトキサンチン」アップ術、柿の皮ごとレシピ、柿の新食感スイーツレシピ、自家製干し柿の作り方、韓国の定番 柿料理レシピが紹介されていました。
柿の栄養
「柿が赤くなれば医者が青くなる」ということわざがあるほど、栄養がある柿。
今、注目されている骨粗しょう症や動脈硬化の予防効果が期待できる成分「β-クリプトキサンチン」も豊富に含まれています。
1日に柿を1個食べるだけで予防効果が期待できるとのこと。
他にも、ビタミンC、食物繊維、カリウムなども豊富に含まれています。
柿の皮を薄くむく方法
かたい柿、そしてやわらかい柿の皮をきれいに薄くむく方法とは?
教えてくれたのは、果物の皮をきれいにむく達人 平野泰三さん。
ヘタのむき方
まず、ヘタを内側に入れて、包丁を入れて柿を回す。
ポイントは包丁を45度の角度に入れて、ヘタの芯の中心付近まで刺すこと。
柿のヘタは、下向きの円すい形になっているため、包丁を固定して柿をまな板につけたまま回すことで、ヘタをきれいに取ることができます。
皮のむき方
かたい柿の場合は、くし形に切って皮をむいても、りんごの皮むきのようにクルクルと柿を回しながらむいても、ふだんから慣れている方法でOKですが、どちらの方法でも皮を薄くむくポイントが2つあります。
1つめは包丁の刃先を少し内側に入れること。
2つめは柿を持つ側の脇を締めること。
脇を締めることで柿を安定させて皮をむくことができます。
やわらかい柿の場合は、ヘタを取ったあと、柿をまな板に置いたまま、8等分から10等分のくし形に切ります。
くし形にした柿を、皮を下にしてまな板の端に置きます。
そして、包丁を寝かせて、ヘタ側の逆である「お尻側」から皮と身の間に刃を入れます。
「お尻側」は、皮に三角形の頂点があり、皮の幅が狭いので、皮と身の間、ギリギリに刃を入れることができます。
包丁で皮をまな板に押さえつけるようにしながら、上下に小刻みに動かすことがポイント。
柿の栄養分「β-クリプトキサンチン」アップ術
β-クリプトキサンチンは、柿を収穫してから9日間、25℃の場所に置いておくと、約2倍に増加するとのこと。
β-クリプトキサンチンは温度が高い方が活発に作られる傾向があり、20~25℃が最適の温度のため、冷蔵庫や冷凍庫よりも温かい部屋の中に置いておくことがオススメです。
また、β-クリプトキサンチンをより効率的にとるためには、柿を皮ごと食べること!
柿の皮に含まれるβ-クリプトキサンチンは、果肉部分の10倍以上にもなります。
柿の皮ごとレシピ
教えてくれたのは、柿の産地である岐阜市で活躍する管理栄養士の馬場美穂さん。
柿ドレッシング
柿の甘さと酢の酸みが絶妙なバランスで、淡泊な魚介類のカルパッチョ風料理のソースとしてもオススメ。
●材料(作りやすい分量)
・柿・・・1コ(200g)
・酢・・・大さじ2
・オリーブ油・・・大さじ1
・粒マスタード・・・小さじ1
・塩・・・小さじ1/3
・こしょう・・・少々
●作り方
1、柿を皮ごと水でよく洗い、ボウルにすりおろす。
ミキサーにかけてもOK!
2、オリーブ油、粒マスタード、塩、こしょうを加えてよく混ぜる。
柿の丸ごとサラダ
柿の皮が気にならないようにクルミを加えるのがポイント。
●材料(4人分)
・柿・・・1/2コ(150g)
・水菜・・・1/2束
・レタス・・・1/8玉
・かぶ・・・小1コ
・塩・・・少々
・カッテージチーズ・・・100g
・くるみ・・・8粒
●作り方
1、水菜とレタスは食べやすい大きさに切り、水につけてパリッとさせる。
2、柿とかぶは皮ごと3mmのいちょう切りにする。
かぶは塩をふり、しんなりしたら水けを取る。
3、くるみの半分は細かく、もう半分は粗く砕く。
4、ボウルに(1)と(2)と細かく砕いたくるみを混ぜ合わせ、器に盛る。
5、仕上げにカッテージチーズと残りのくるみを散らす。
柿のドレッシングをかけていただきます。
柿の新食感スイーツレシピ
教えてくれたのは、庄内柿の産地、山形県で活躍する創作料理店の料理長 嶋倉秀一さん。
焼き柿の丸ごとゼリー
オーブンで焼いて皮をむいた柿を、丸ごとゼラチン液で固めた、しっとりプルプル食感のスイーツ。
●材料(2人分)
・柿・・・2コ
・サイダー・・・250ml
・ゼラチン粉・・・5g
・グラニュー糖・・・大さじ1
【完熟柿のソース】
・完熟柿・・・90g
・グラニュー糖・・・小さじ1
【飾り】
・ミックスベリーお好みで
・セルフィーユお好みで
●作り方
1、焼き柿を作る。
柿を皮ごと、250度のオーブンで15分間加熱する。
粗熱が取れたら、冷蔵庫に入れて冷ます。
2、皮をむいてガサガサの部分は指で実をなぞり、ツルンとした表面にする。
3、ゼリー液を作る。
サイダーを沸かし、ゼラチン粉を加えて溶かす。
鍋ごと水にあてて、粗熱をとる。
4、ラップを2枚重ね、小さい深みのある皿に貼りつけて(3)を流して、柿を1コ加えてラップの端を輪ゴムで束ねる。
5、冷蔵庫で冷やし固める。
6、完熟柿のソースを作る。
完熟柿の実とグラニュー糖をミキサーにかける。
その後、冷蔵庫で冷やしておく。
7、冷たい皿に完熟柿のソースを流す。
(5)のヘタを切り落とし、4等分にする。
ソースの上に盛りつけ、飾りをのせる。
柿ジュース
とろとろクリーミーな食感。
●材料(4人分)
・完熟柿・・・240g
・グラニュー糖・・・小さじ8
・生クリーム・・・大さじ8
●作り方
1、柿ジュースを作る。
完熟柿のヘタと皮をむき、フードプロセッサーにグラニュー糖(小さじ4)と入れて、トロトロにし、冷やす。
2、生クリームソースを作る。
生クリームとグラニュー糖(小さじ4)を混ぜて溶かす。
3、冷えたグラスに柿ジュースを1/4注ぎ、その上に生クリームソースを1/4注ぐ。
柿のホットケーキ
市販のホットケーキミックスに、柿と卵を加えることで、ホットケーキがモチふわとした食感に!
●材料(作りやすい分量)
・ホットケーキミックス・・・150g
・完熟柿・・・約1/2コ
・卵・・・2コ
●作り方
1、完熟柿はヘタを取り、皮はつけたままミキサーにかける。
2、ボウルにホットケーキミックスと(1)を加えて、ポロポロになるまでゆっくりと混ぜる。
3、卵を溶き、2回に分けて混ぜながら加え、ダマがなくなるまで混ぜる。
4、一度温めて冷やしたフライパンに(4)をお玉で入れて広げて、弱火で約4分間焼く。
ホットケーキミックスに含まれている小麦粉の水溶性たんぱく質と、柿に含まれているポリフェノールの一種、タンニンが結びつくと、モチモチとした食感の元になります。
そこに空気を抱える性質がある卵を加え、加熱することで、その空気が膨らんで、ホットケーキがモチふわになると考えられます。
柿のタンニンで悪酔いが防止できる?
現存する日本最古の医学書「医心方」には『柿には酒の熱毒を解く』という記述があります。
飲酒の際、どのタイミングで柿を食べると効果があるのか?
柿を食べずに飲酒したとき、飲酒30分前に柿を食べたとき、飲酒30分後に柿を食べたとき、飲酒しながら柿を食べたとき、それぞれ、飲酒し終えてから1時間後の呼気中アルコール濃度を測定したところ・・・
柿を食べずに飲酒だけしたときに比べ、柿を食べて飲酒した3条件の実験のほうが、アルコール濃度が下がり、とくに同時に柿を食べたときに最もアルコール濃度が下がりました。
自家製干し柿の作り方
電子レンジは水分を蒸発させる機能もあり、キレイな色を保ちながら乾燥できるので、簡単におうちで干し柿を作ることができます。
くし形切りタイプの干し柿
完成まで1か月ほどかかります。
●材料(作りやすい分量)
・柿・・・1コ
●作り方
1、柿の皮をむき、6等分のくし形に切る。
2、耐熱皿にオーブン用の紙を敷き、柿を並べる。
3、500Wの電子レンジに5分間かけて、ひっくり返して1時間冷ます。
4、さらに500Wの電子レンジに5分間かけて、ひっくり返して1時間冷ます。
5、また500Wの電子レンジに5分間かける。
6、ザルに上げて、屋外に丸1日干す。
7、冷凍庫に1か月ほど置いたら食べ頃!
薄切りタイプの干し柿
●材料(作りやすい分量)
・柿・・・1コ
●作り方
1、柿の皮をむき、3~4mm厚さの薄切りにする。
2、耐熱皿にオーブン用の紙を敷き、その上に切った柿を重ならないように広げる。
3、500Wの電子レンジに3分間かけて、ひっくり返して1時間冷ます。
4、さらに500Wの電子レンジに3分間かけて、ひっくり返して1時間冷ます。
水晶果(スジョングァ)
●材料(作りやすい分量)
・干し柿・・・適量
・松の実・・・適量
【A】
・水・・・1.5リットル
・しょうが(せん切り)・・・90~100g
・シナモンスティック・・・3本
●作り方
1、【A】を鍋に入れて弱火で20分間煮る。
2、粗熱を取ったら冷蔵庫で冷やす。
3、飲むときに干し柿(コップ1杯に対し1コ)と松の実を入れる。
コッカムマリ
●材料(作りやすい分量)
・干し柿・・・適量
・くるみ・・・適量
●作り方
1、干し柿のヘタを切り落とし、ヘタからお尻の方にむかって切り目を入れて、開く。
2、くるみを実の中に並べ、巻く。
韓国の定番 柿料理レシピ
教えてくれたのは、韓国宮廷料理研究家、崔誠恩(チェ・ソンウン)さん。
柿の水キムチ
かたい柿を使ったレシピ。
冷蔵庫で3日間漬け込むことで、柿がやわらかくなり、柿の甘さがまろやかな辛みのないキムチです。
●材料(作りやすい分量)
・柿・・・1/2コ
・白菜・・・1/4コ
・大根・・・1/2本
・塩・・・約50g
・水・・・1.5リットル
・しょうが・・・3g
・にんにく・・・2かけ
・細ねぎ・・・6cm
●作り方
1、白菜、大根は一口大に切る。
しょうが、にんにくは薄切り、細ねぎは3~4cm長さに切り、容器に入れる。
2、(1)に塩をふり、水分が出てくるまで約1時間おく。
3、柿はくし形に切り、(2)に水と柿を入れる。
4、3日間、空気に触れないように涼しいところで寝かせる。
柿のみそだれと鶏肉のソテー
やわらかい柿を使ったレシピ。
鶏肉料理の下味やタレに使ったり、チャーハンの味つけに使ったりするのにオススメの万能調味料です。
●材料(作りやすい分量)
・柿・・・1コ
・鶏もも肉・・・2枚
・みそ・・・大さじ1と2分の1
・酒・・・大さじ3
・しょうが(薄切り)・・・適量
・にんにく(薄切り)・・・適量
・細ねぎ・・・適量
・ごま油・・・適量
●作り方
1、みそだれを作る。
鶏もも肉以外の材料をすべてミキサーに入れてかける。
2、鶏もも肉の皮ではない面にみそだれをぬり、約20分間おく。
3、フライパンにごま油を熱し、皮のほうから焼き色がつくまで焼き、ひっくり返す。
中まで火が通るまで焼く。