2016年4月12日放送の林修先生の今でしょ講座は、医師50人が選ぶ発酵食品ベスト6。
みそ床の作り方も紹介されていました。
教えてくれるのは、白澤卓二先生。
発酵とは?
「発酵」と「腐る」は、どう違う?
「発酵」と「腐る」は、メカニズム的には同じですが、明確な違いがあります。
それは、食べ物に付く微生物の種類が違う、ということ。
発酵は、食品を分解して、人間が必要な栄養を作ります。
腐敗は、食品を分解して、毒素を出します。
発酵に役立つ微生物はどれくらいいる?
大きく分けると、乳酸菌、酢酸菌、酵母菌、納豆菌、麹菌、酪酸菌の6種類。
野菜があまり摂れない北極圏で生活する「カナディアン・イヌイット」は、海つばめをアザラシの腹に詰めて土の中で約半年発酵させた「キビヤック」を食べています。
この発酵の過程でビタミンが生成されるので、不足するビタミンを発酵食品で補うことができるそう。
発酵食品はいくつある?
ビール、ヨーグルト、味噌、紅茶、醤油、キムチ、日本酒、なれずし、パン、焼酎、チーズ、酢、みりん、麹、納豆、塩辛、魚醤、酒粕、かつお節、漬け物、くさや、甘酒、ウイスキー、ワイン、ブランデー、発酵バター、豆板醤、メンマ、ナタデココ、プーアール茶・・・など。
なれずし
発酵食品は腐る?
発酵し続けている食品は、そのまま置いておいても理論上は腐りません。
30年間、生の菌が発酵を続けているのが「なれずし」。
では、なぜ発酵食品に賞味期限があるのでしょうか?
それは、衛生上の問題で菌を殺しているから。
加熱殺菌すると発酵菌も殺してしまうが、食中毒から守ってくれるのです。
発酵食品のメリット
・栄養素が増える
・うまみが増える
・腐りにくく常備しやすい
発酵食品BEST6
名医が完全監修した体にやさしい発酵弁当。
中身は、チーズとかつおぶしのおにぎり、鶏の味噌漬け、卵の味噌漬け、ぬか漬け。
ポイントは、おかずを「みそ床」で味付けしていること。
みそ床の作り方は、大きめのタッパーに味噌・にんにく・酒を入れて混ぜたらOK。
このみそ床に鶏肉や卵、野菜など好きなものを漬けます。
1回みそ床を作れば約1週間~1か月使えます。
1位 納豆(納豆菌)
納豆は、大豆を納豆菌で発酵させたもの。
納豆には女性に嬉しい成分がたくさん入っていることが最新研究で分かったとのこと。
大豆が納豆になると、肌をつくるビタミンB2が約6倍、シミ・シワ予防につながるレシチンが約1.5倍含まれています。
さらに、1000万人以上が悩む骨粗しょう症の予防につながるビタミンK2が約86倍増えます。
納豆の理想的な食べ方
1、朝もいいけど、夜に食べるともっと良い
納豆には美肌をつくる栄養素「レシチン」「アルギニン」が豊富。
肌は夜寝ている間に作られるので、夕食に食べると寝ている間の肌作りに効果的です。
2、ごま油を数滴たらす
ごま油を加えることによって、ビタミンK2の吸収率が上がります。
また、納豆菌は熱に強いので、油で炒める料理「納豆チャーハン」もオススメ。
ただし、「ワルファリン」という薬を処方されている方は、納豆が禁止されている場合があるので注意して下さい。
2位 ヨーグルト(乳酸菌)
ヨーグルトは、牛乳を乳酸菌で約5時間発酵させたもの。
ヨーグルトのスゴイところは、ヨーグルトを習慣的に食べることで糖尿病のリスクが減少したという最新研究が発表されたから。
ケンブリッジ大学の最新研究で、男女3500人を11年間追跡調査したところ、低脂肪ヨーグルト(カップ入りヨーグルト120g)を週4~5個食べると、2型糖尿病の発症リスクが28%減少したということが分かったそう。
善玉菌の代表「ビフィズス菌」は、加齢とともに減少していきます。
免疫細胞の6割が腸にありますが、免疫細胞の表面に善玉菌がくっつき、活動が活発になり、免疫力が上がります。
毎日1カップ程度のヨーグルトを食べるのがオススメです。
3位 味噌(麹菌・酵母菌・乳酸菌)
味噌は、蒸した米を麹菌で発酵させた米麹に、大豆を加えてさらに発酵させたもの。
味噌のスゴイところは、乳がん発生リスクが下がったという最新研究が発表されたから。
ただし、味噌汁の作り方次第で、味噌の栄養を逃してしまうことがあるとのこと。
医学的味噌汁の作り方
ポイントは、味噌を溶かすタイミング。
味噌は、食べる直前に溶かすことが大事!
火を止めて10分程度置いてから味噌を溶き入れるのが理想です。
具は、芋・海藻などのカリウムを含んでいるものがオススメ。
カリウムは、余分な塩分の排出を促してくれます。
味噌には生きた菌が入っていて50℃以上で調理すると死んでしまいます。
また、65℃以上で味噌に含まれるタンパク質の性質が変わり、味が落ちてしまいます。
4位 チーズ(乳酸菌・酪酸菌)
チーズは、牛乳を乳酸菌で発酵させ、酵素で固めたもの。
医学的にみると・・・チーズはダイエット向きだそう。
チーズがダイエットに向いている理由は「カルシウム」と「ビタミンB2」が含まれているから。
カルシウムは、胆汁(脂肪を吸収する消化液)にくっつく性質があり、胆汁が脂肪を体に吸収するはたらきを邪魔してくれます。
カルシウムの含有量・・・パルメザンチーズは牛乳の約12倍。
チーズを先に食べておくと脂の吸収を抑えることができます。
ビタミンB2の含有量・・・パルメザンチーズは牛乳の約4.5倍。
ビタミンB2は、脂肪を運んで燃やし、エネルギーにします。
1日にプロセスチーズを2かけくらい食べるのがオススメ。
5位 酢(酢酸菌)
米酢は、純米酒を酢酸菌で発酵させることで生み出されるもの。
酢のスゴイところは、高血圧予防に繋がると期待できること。
酢の主成分は酢酸。
血圧を上げる原因のひとつが「ストレス」。
ストレスを感じると交感神経の作用で血管が縮まり、血圧が上がりますが、酢酸を摂取すると血管が広がるので、血圧を下げる効果が期待できるというワケ。
また、酢は代謝を促進して、脂肪の燃焼を助けてくれる働きもします。
「酢の物」を1日1品食べるのがオススメ。
これで、大さじ1杯分程度の酢が摂取できます。
6位 ぬか漬け(酪酸菌・乳酸菌)
ぬか漬けとは、米を発酵させて作るぬか床に野菜を漬けたもの。
ぬか漬けのスゴイところは、野菜のビタミンが激増すること。
微生物が発酵中に野菜を原料にしてビタミンを作ります。
ポイントは、ぬか漬けに含まれる「酪酸菌」。
酪酸は、免疫細胞(T細胞)を増やし、大腸の炎症を抑制することが期待できます。
酪酸のメリット
1、大腸の壁の傷を修復する
2、粘液で大腸を保護する
ぬか漬けは、1日小皿1皿くらいの摂取が理想です。
また、酪酸菌は、熱や酸に強く、生きたまま腸に届いて善玉菌を増やす環境を作ってくれます。