子どもの頃からお正月になると食卓に並んだ「おせち料理」の数々。
子どもにとって普段食べ慣れない食材も多いですが、おせち料理に入っている食材にはたくさんの願いが込められ、ちゃんと意味があるのです。
私たち大人が日本の伝統であるおせち料理に入っている食材の意味を子どもに教えながら食卓を囲むのもお正月ならではじゃないでしょうか?
また、おせちの重箱の詰め方もご紹介します。
「おせち」とは?
おせちは漢字で「御節」と書き、もともと節句にいただく料理や神様に供える料理のことで、お正月に限ったものではありませんでしたが、現代ではお正月のために用意する料理をおせちと言います。
おせちは、大晦日のうちに仕上げておくのが一般的で、縁起が良い食材や料理を詰め、一から与の重までの四段重ねが正式です。
また、年神様を家に迎えている三が日は、年神様が静かに過ごせるようにこの期間は家事をできるだけ控えて、音を立てないようにするため、また、台所での煮炊きを慎むならわしがあるため、おせち料理には日持ちするものが詰められます。
現在のような重箱にさまざまな料理を詰めたおせちが広まったのは、昭和40年代。
本来、お正月を祝う料理は「雑煮」でしたが、雑煮は売り物にしにくいため、業者が重詰を「おせち」として販売し、マスコミが広めました。
2015年1月の紀分食品のインターネット調査によると、重詰のおせちの購入先は、ネット通販が27.3%、スーパーが23.5%、デパート19.2%と、3年連続でネット通販が最多とのこと。
●一の重
祝い肴。
黒豆、数の子、田作り、たたきごぼうなど。
●二の重
口取り。きんとん、伊達巻きなど甘いもの。
●三の重
海の幸。
鯛、ブリ、エビ、イカ、昆布など。
●与の重
山の幸。
八つ頭、蓮、里芋、こんにゃくなど。
おせち料理に入れる食材の意味
●数の子
にしんの卵は数が多いことから「子孫繁栄」を願います。
●きんとん
黄金色をしていることから「金運上昇」を願います。
●黒豆
「まめ」に働き、「まめ(元気)」に暮らせることを願います。
●ブリ
出世魚であることから「出世」を願います。
●田作り(ごまめ)
田畑の肥料に乾燥したイワシが使われていたことから「五穀豊穣」を願います。
●伊達巻
反物の形をしていることから「着るものに困らない」ようにという意味。
●里芋
土の中に子芋をたくさんつけることから「子孫繁栄」を願います。
●海老
腰が曲がるまで長生きできるようにという意味。
●昆布巻き
よろ「こぶ」の語呂合わせ。
●れんこん
穴があいているので、将来の見通しが良いという意味。
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正月は「祝い箸」を使う
お正月には、神様と人が一緒にごちそうをいただくことで神のご加護を受けるという考えがあり、三が日の間は両端が細く丸くなった「祝い箸」を使います。
大晦日に家長が家族の名前を箸袋に書いて神棚に供え、三が日にこの箸を使って食事をします。
食べ終わるごとに洗って、また箸袋に納めて使います。
両端が細くなっているのは、一方を人が、もう一方を神様が使うためで、白木には「清浄と神聖を表し、邪気を払う」意味があると言われています。
特に、「春一番に芽を出し、長寿をもたらす」とされる側の木でできた「柳箸」は折れにくく、縁起がよいものとされています。
雑煮
雑煮は、大晦日に年神様にお供えした山海の幸やお餅を元旦に下ろし、ひとつの鍋で煮て食べたのが始まりとされており、1年の無事を祈っていただきます。
地域や家によってお餅の形・焼き方・煮方、出汁、具材などさまざまあります。
北海道や沖縄にはもともと雑煮を食べる習慣がなく、北海道では明治以降食べるようになりましたが、沖縄でも今も雑煮なしの習慣が一般的だそうです。
お屠蘇(おとそ)
お屠蘇は元旦にいただく祝い酒で、山椒や桔梗など数種類の生薬を配合した「屠蘇散(とそさん)」を日本酒やみりんに一晩浸して作る薬草酒です。
正式名称は「屠蘇延命散(とそえんめいさん)」で、3回ずつ飲みます。
若さにあやかって若い人から飲むのが正式と言われますが、長寿にあやかり年長者から飲むこともあります。
邪気を払い、心身をよみがえらせるという意味があり、長寿のもととされています。